意外と知らない、眼鏡やレンズの正しい知識を得ることは、ご自身の目や視力をいたわることに役立ちます。健康で快適な視生活を送るための参考にしてみてください。
Vol.2 屈折異常とは
子どもから大人まで多くの方に見られる、「近視」「遠視」「乱視」などの症状は、まとめて「屈折異常」と呼ばれます。各症状のメカニズムと矯正するためのレンズの種類を解説いたします。
屈折異常と各症状のメカニズム
眼に入った光が角膜と水晶体で屈折したのち網膜にきちんと像を結べば物がはっきり見えている状態であり、これを正視といいます。
角膜と水晶体で光を屈折させる力と、網膜までの距離が合わないとピンボケの状態になり、これを屈折異常といいます。
屈折異常は大きく分けて近視、遠視、乱視の3つがあります。
1.近視について
近視とは、目に入った光が網膜の前で像を結ぶ状態で、角膜や水晶体の屈折力が強いか、眼球が長いために起こります。近くの物に焦点を合わせて見ることが出来ますが、遠くが見えにくい状態となります。
近視では網膜の前にあるピントを凹レンズで矯正します。
2.遠視について
遠視とは、目に入った光が網膜の後ろで像を結ぶ状態で、角膜や水晶体の屈折力が弱いか、眼球が短い為に起こります。
遠視は、常に毛様体を緊張させ、水晶体を厚くし屈折力を強くしたた状態(調節)を維持しなければならない為、眼精疲労を招きやすく、調節しきれない場合は物がぼやけて見えてしまいます。
遠視では網膜の後ろにあるピントを凸レンズで矯正します
3.乱視について
乱視とは目に入った光が角膜や水晶体の歪みの為に像が複数個所で結ばれてしまう状態で、メガネで矯正できる正乱視とメガネで補正できない不正乱視があります。 乱視は水晶体が屈折力を調節しても網膜上にピントが合わないため、眼精疲労が起こりやすくなります。
乱視は円柱レンズでボヤけの矯正をします。
老視について
老視とは、水晶体の厚みを調節する筋肉の加齢による機能低下と、水晶体そのものの弾力性が少なくなり硬くなったことで、近くの物にピントが合わせられなくなった状態です。
老視では網膜の後ろにあるピントを凸レンズで矯正します。